2006年5月17日水曜日

「糖尿病」について

ゲスト/やまうち内科クリニック 山内 雅夫 医師

糖尿病には2つのタイプがあるそうですね。

 飽食の時代といえる現在、日本では糖尿病患者が急増し、国民の1割以上が糖尿病もしくは糖尿病予備軍といわれています。
 糖尿病は高血糖が続く代謝疾患で、1型糖尿病と2型糖尿病に分類されます。すい臓のβ細胞から血糖を下げるインスリンというホルモンが分泌されていますが、1型糖尿病はこのすい臓β細胞が破壊されてインスリンの絶対的欠乏が生じる重篤なもので、急激な体重の減少が見られます。インスリンを補う必要がありますが、インスリンには飲み薬がなく、注射で投与しなければなりません。
 2型糖尿病は、インスリン分泌低下とインスリン抵抗性の増大によるもので、過食、肥満、運動不足などの生活習慣と遺伝的要因が関係しています。糖尿病の90%以上がこのタイプで、食事、運動療法が基本的な治療法となりますが、それだけでは不十分な場合は経口の血糖降下薬も使われます。経口血糖降下剤(内服薬)は、多くの新しい薬剤が登場し、治療薬の選択肢が広がりました。作用のしくみが異なる複数の薬を使用することも行われます。

糖尿病の症状について教えてください。

 尿量の増加とのどの乾き、多飲がまず挙げられますが、抵抗力が低下し感染症にかかりやすくなることもあります。糖尿病が進行すると体重は減少し、さらに重篤になると糖尿病性昏睡(こんすい)という意識障害が出現し、死に至ることもあります。
 しかし、より注意すべきことは、動脈硬化性疾患(狭心症、心筋梗塞=こうそく=、脳血管障害など)や糖尿病性細小血管合併症(網膜症、腎症、神経障害)などの合併症です。動脈硬化性疾患は、血圧、高脂血症、喫煙、肥満などが加わると、きわめて高率に発症します。糖尿病性網膜症は、中途失明の原因の第1位、糖尿病性腎症も人工透析が必要となる原因のなかで最も多い疾患です。糖尿病性神経障害は、手足のしびれ感、神経痛、性機能低下などさまざまな症状があり、頻度の高い合併症です。動脈硬化性疾患や糖尿病性細小血管合併症は、死に結びつくことも多く、これらの予防が糖尿病治療の最大の目的とされています。