2006年4月5日水曜日

「更年期障害の薬物療法」について

ゲスト/はしもとクリニック 橋本 昌樹 医師

更年期障害の薬物療法について教えてください。

 主にホルモン補充療法と漢方療法があります。ホルモン補充療法(HRT)は、飲み薬と張り薬を中心に、エストロゲンというホルモンを補っていく治療法です。
 ほてり、のぼせ、動悸(どうき)、冷え、不眠、耳鳴り、肩こり、イライラといった症状が現れたら、まず、婦人科の専門医を受診しましょう。更年期障害であれば、診察と問診でおおよその見当がつきます。治療を始めると、早ければ1、2週間から1カ月ほどで、症状が劇的に改善されることも少なくありません。エストロゲンには骨の形成を促す作用があり、特に閉経後は急速に骨量が減りますので、ホルモン補充療法をすることにより、骨粗しょう症の予防にも大きな効果が期待できます。
 一方で、ホルモン治療に対しては、がんの発症を心配する人も少なくありません。米国の大規模臨床試験でホルモン補充療法を長期間(5~10年以上)続けると、乳がんや心臓病のリスクが高くなるという報告があります。6カ月から1年に一度の血液検査、子宮がん検査(頚部=けいぶ=、体部)、乳がん検査などが必要です。ホルモン補充療法には更年期のつらい症状を改善したり、骨粗しょう症の予防、さらに皮膚の若さを保つなどの効果もあります。薬の種類や組み合わせ、使用する期間などを考慮することにより副作用の少ない治療が可能です。

ホルモン治療を避けたい人は、どうしたら良いでしょうか。

 漢方治療は、ホルモン治療を希望しない方や、加齢の流れの中でつらい症状を一つずつゆっくり取り除きながらホルモンの減少に体を慣らしていきたいという方に向いている治療法です。漢方薬は幾つかの生薬を組み合わせて用いられ、体調や体質に合わせて様々な種類があります。例えば当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遙散(かみしょうようさん)にはセリ科のトウキの根が入っていて、のぼせや発汗、冷えなどを改善する作用があります。病院、クリニックで処方する漢方薬はエキス剤(製薬会社が生薬をせんじて乾燥)が主で、健康保険が適用されています。