2006年3月15日水曜日

「社会不安障害」について

ゲスト/メンタルケアさっぽろ西口クリニック 鈴木将覚 医師

社会不安障害について教えてください。

 人前に出ると極度に緊張してしまい、顔が赤くなったり、声や手足が震えたりして、思うように話ができなくなる症状で、一般に赤面症、あがり症などと呼ばれることもあります。程度の差はありますが、日本人には比較的多く、推定で人口の約1割程度の人が発症しているといわれています。もともとその人が持っている気質に、ストレスなど何らかのきっかけがあって発症する場合も少なくありません。きっかけはさまざまで、人前で本人にとっては大きな失敗を犯し、それ以降、人前に出ることが苦痛になるような場合が多いようです。
 例えば、会社の朝礼でスピーチをしなくてはならなくなった時に、上手にしゃべることができず、それがきっかけで、朝礼がある日は遅刻をしたり、休んだりということを繰り返します。子どもの患者さんも多く、学校での発表などが苦痛で、症状が重くなると学校へ行くことができなくなったりします。また、初対面の人に対して極端に緊張したり、人前で字が書けなくなるなど、特定の状況で症状が出る場合もあります。重くなると、本人の苦痛も大きく、社会生活にも支障を来しますから、我慢せず、早い段階で受診することをお勧めします。

治療方法や注意点について教えてください。

 「あがり症」は大なり小なり誰にでも見られる症状であるため、ともすれば「慣れれば大丈夫」などと、無理強いするような場面が見られますが、これは本人にとって、苦痛が増すばかりでプラスに働くとは限りません。診察を受けて、必要であれば抗不安薬、抗鬱(うつ)剤などを服用することも、症状の軽減に役立ちます。日常生活では、「緊張して当たり前」「本人が気にするほど周りの人は気にしていない」ことを自覚することが大切です。また、家族など周囲の人が「気にするな」と励ましたりせず、「つらいよね」と共感することで、本人の気持ちが和らぎます。社会不安障害は、神経症圏の中では改善しやすい病気です。「自分も…」と思い当たったら、早めに専門医を訪ねてください。