2006年2月8日水曜日

「いろいろなしみとその治療」について

ゲスト/宮の森スキンケア診療室 上林淑人 医師

しみについて教えてください。

 何らかの原因で皮膚内にメラニンという色素が残ってしまい、その周囲よりも茶色く認識される部分は、一般にしみといわれます。よく見られるしみとして、以下のものが挙げられます。
 1つは老人性色素斑といわれるもので、頬(ほお)や腕、手の甲などに主に見られ、境界のはっきりした円形のしみです。40歳以降に多く出現しますが、早い人ですと20歳代から出る人もいます。長期間紫外線によるダメージを受けてきたことが原因と考えられています。
 2つめは、雀卵斑(じゃくらんはん)で、いわゆる「そばかす」です。左右両頬に対称性に小さい色素斑が多数認められるもので、子供のころから見られるのが一般的です。
 3つめは、脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)です。表面がカサカサとした茶色から黒褐色の盛り上がった境界のはっきりしたしみで、主に顔や首に見られます。正確には皮膚腫瘍(しゅよう)の一種で、少しずつ大きくなります。「盛り上がったしみ」といえば分かりやすいでしょう。比較的高齢者に多く見られます。
 4つめは、肝斑(かんぱん)といわれるもので、頬骨の辺りを中心に左右対称性に広がる茶色から褐色のしみです。ほとんどが女性に見られ、妊娠や出産、閉経を契機に現れることが多いので、女性ホルモンとの関係が指摘されています。
 5つめは、色素沈着です。主に湿疹(しっしん)やニキビ、やけど、すり傷が治った後に茶色く残るものです。程度が軽ければ時間とともに、自然と消えます。

治療法について教えてください。

 老人性色素斑、雀卵斑はレーザー治療が最も効果的です。脂漏性角化症もレーザー治療が有効ですが、外科的な切除や液体窒素による凍結療法を行う場合もあります。肝斑はレーザー治療の適応にならないことが多く、ハイドロキノンやビタミンC誘導体など脱色効果のある外用剤の使用が中心になります。色素沈着は、基本的に日焼け止めなど紫外線対策を徹底すれば徐々に消えていきます。それでもなかなか消えない場合はハイドロキノンやビタミンC誘導体を使用します。
 しかし、しみのように見える皮膚がんも存在します。気になるしみがある場合はまず専門医の診察を受けて下さい。

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