2005年8月17日水曜日

「成人の歯科矯正治療」について

ゲスト/北大前矯正歯科クリニック 工藤 章修 歯科医師

成人の矯正治療について教えてください。

 現在、成人の矯正治療は少なくありません。噛(か)み合わせが悪い、骨がずれているなど、先天的な問題を抱えながら、子どものころに矯正治療を行う機会がなかった人もいます。また、歯槽膿漏(のうろう)、歯茎(ぐき)の炎症など、後天的な環境因子によって歯がずれる、顎(あご)がガタガタする、という問題を抱えることもあります。このような、機能的な問題を解消するために歯科矯正を行う人は、全体の2~3割。残りは、容貌(ようぼう)を整えたいという、審美的な面が動機になることが多いようです。
 矯正治療は、個人差はありますが、平均して2年から3年半の期間がかかりますから、期間や費用について、専門医と納得のいくまで話し合ってください。自分の歯の問題点と治療方法のほか、矯正後は顔の形が変わること(たいてい顔貌は改善します)もあるので、医学的見地から筋道を立てて説明してもらうのがよいでしょう。通院にかかる時間と仕事の両立、治療の継続が生活にどの程度影響するかなど、心配事をすべて解消してから、治療に臨むことをお勧めします。

矯正装置が目立つのではないかと心配なのですが。

 矯正装置は現在、装着時の違和感を与えないように、医療サイドからもさまざまな材質のものが提供されています。最も目立たないものは、インビジブル・ブレイス(舌側矯正装置)という、歯の裏側に装着する装置。しかし通常の装置に比べ、食べづらさ、話しづらさを訴える人もいます。歯の表側に装着するものでも、光の透過度が歯の色に近く、目立たない、審美的な矯正装置もあります。また、「見せて楽しもう」という逆転の発想で、カラフルな矯正装置を着ける人も増えています。数十色のパステルカラーから選べるものもあります。どの装置にも一長一短があるので、よく説明を受けたうえで、選ぶことが大切です。いずれの場合も、歯並びが良くなり、口元の美しさが出てくれば、矯正装置そのものは、それほど目立たなくなり、気にならなくなります。
 歯科矯正は、本人の満足感も大切です。歯並びで少しでも気になる点があれば、一度専門医に相談してみることをお勧めします。