2005年2月16日水曜日

「高血圧と生活習慣病」について

ゲスト/秀愛会内科・消化器科クリニック 高梨 良秀 医師

高血圧症について教えてください。

 かつて血圧は、最高150、最低90以下であれば良いとされてきましたが、研究が進むにつれ、健康な状態を維持するには正常値が、65歳以上で最高140、最低90以下にすべきと発表されました。最高・最低血圧のどちらかが正常値より高ければ、高血圧と判断されます。頭が重い、顔がほてるなど高血圧の自覚症状がある人もいますが、何ら不快症状がないまま高血圧が進行している人も多くいます。心疾患、脳疾患など突然の重篤な症状に結び付かないよう、特に症状がない場合でも、日ごろから自身の血圧を正確に知ることが必要です。65歳以下の成人では、上が130、下が80程度が理想的な値です。血圧はさまざまな要因で変動するため、病院の外来で測っても本来の血圧よりたいていの場合、高めに出てしまうことが多いのです。正確な血圧を知るためには、家庭での血圧測定が理想です。血圧計の中では、上腕で測定するタイプのものがより正確です。毎日3回、決まった時間に測定し、測定前の15分はできるだけ安静にします。測定値は記録し、かかりつけの医師に見せ、治療計画の判断材料にしましょう。さらに正確な血圧を計る24時間血圧計もあります。1日を通して血圧の変動をモニターするので、時間ごとの薬の効果などを詳しく知ることができます。

血圧の管理が必要なのは、なぜですか。

 高血圧の人は、高脂血症や糖尿病などにもなりやすく、さまざまな生活習慣病の要因となります。また、高血圧状態が長く続くと血管や心臓に負担がかかり、動脈硬化が進行し、脳出血、脳梗塞(こうそく)、心筋梗塞、腎不全など重大な合併症を引き起こすことになります。高血圧であると診断されたら、医師の指示に従って薬の服用を続けてください。最近はさまざまなタイプの薬品が開発され、症状、ライフスタイルに合った薬が処方されます。日常生活では、塩分を控え、昔ながらの和食を中心とした食事をし、ストレスを解消し、適度な運動を長く続けることが大切です。血圧が正常値で安定すれば、投薬をやめることも可能です。

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