2004年12月8日水曜日

「矯正器具の選択肢」について

ゲスト/宇治矯正歯科クリニック 宇治 正光 医師

歯科矯正の矯正器具が気になるという人は多いと思いますが。

 歯列矯正をするための主な器具としては、部分的に歯を動かしたり、顎(あご)を広げたりするのに使うプレート装置、上顎骨(がっこつ)が前に出てくるのを抑えたり、第一大臼(きゅう)歯が前に出るのを防ぐヘッドギア、そして、すべての歯にブラケット(装置)をつけてワイヤーをはめ、永久歯を移動させるマルチブラケットがあります。マルチブラケットは矯正治療においては不可欠な装置ですが、長期に渡り装着するため目に付きやすく、審美面で気にする人もいます。かつては金属製のブラケットしかありませんでしたが、最近ではクリアタイプや歯の色に合わせた、プラスチックやセラミックのブラケットが開発されています。しかし、プラスチック製は金属製に比べ強度で劣り、逆にセラミック製は硬すぎて歯を傷つける可能性があります。また、リンガルブラケットという、歯の裏側から矯正する装置もあります。他人には見えないので、審美的な面でこだわりのある人には好評ですが、話しづらい、食べづらいという欠点があります。いずれにしても、当初は違和感があったり、口内炎ができたりすることもありますが、微調整や慣れとともに、気にならなくなることがほとんどです。

違和感の少ないブラケットとしてどんなものがありますか。

 最近、開発されたもので「フリクションフリー(摩擦ゼロ)」のブラケットがあります。ブラケットとワイヤーの間に生じる摩擦を、ワイヤーが自由に動くシステムを採用することによって、ごくわずかな摩擦に軽減したものです。痛みや違和感が少なく、さらに矯正治療期間も短縮できる優れたブラケットです。しかし、金属製しかなかったために、目立たないものを望む人には不評でした。ごく最近、金属部分が従来の3分の1に縮小されたものが開発され、注目を集めています。
 矯正器具にはさまざまな種類があり、一長一短があります。価格も違いますから、矯正専門医とよく相談して、自分に合った器具を選びましょう。

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