2004年10月28日木曜日

「上手な病院のかかり方」について

ゲスト/北海道大野病院付属駅前クリニック 古口健一 医師

上手な病院との付き合い方について教えてください

 患者と医師は、気軽に質問や相談ができ、互いに信頼できる関係が理想です。患者と医師が「良い関係」であれば、専門外の症状で診察が必要な場合に他科の医師や病院を紹介してもらったり、診療時間外の変調時に電話で相談したり、指示してもらうこともできます。めまいや頭痛など「何科を受診すれば良いのか分からない」という場合も、取りあえず普段かかっている主治医を訪ねれば、適切な受診先を紹介してくれます。
 また、治療が長期にわたったり、進行する病気である場合、将来を見据えた治療計画が必要です。入院、通院、施設入所、自宅療養など、それぞれの事情、時期で選択することになります。主治医やかかりつけの病院の相談窓口で、じっくり話し合い、患者にとってベストとなる選択をしましょう。このような信頼関係を築くためには、日ごろのコミュニケーションが肝心です。

患者側が気を付けるべき点はありますか。

 初めての受診では、これまでの状況を正確に伝え、今までかかった病気や病院を伝えます。「おくすり手帳」などの薬歴簿を用意しておくことも重要です。複数の病院にかかっている場合は、必ず医師に伝えてください。投薬の重複や副作用に対処する必要があります。
 重大な治療方針の決定が必要な場合、他の病院の医師に意見を聞く「セカンド・オピニオン」を申し出ることがあります。主治医に遠慮する必要はありません。インフォームド・コンセントを実践している医師であれば、快く賛成してくれるでしょう。もし、不快感を示す医師であれば、時期を見て病院を替えても良いでしょう。しかし、これは次々と病院を替える「ドクターショッピング」とは違います。ドクターショッピングに陥る患者は、治療に時間のかかる疾病の場合が多く、すぐに結果が出ないことで不信感を募らせるのですが、いくつもの病院を渡り歩くことは、決して患者側の利益になりません。よく話し合って、医師との信頼関係を結べば、このような事態は避けられます。

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