2004年4月21日水曜日

「ドライアイ」について

ゲスト/大橋眼科 大橋勉 医師

ドライアイとは、どのような症状をいうのですか。

 文字通り「乾いた目」という意味で、目が乾くために生じるさまざまな症状の総称です。目が疲れやすい、乾いてしょぼしょぼする、日常的な目の痛みやかゆみなどがドライアイを原因とする場合もあります。また、症状が進行すると、乾いた目は刺激を受けやすくなり、風に吹かれただけでも痛くて涙が止まらないというケースもあります。重度になると、角膜の表面が傷ついて視力の低下を引き起こす危険もあります。はっきりとした原因はわかっていませんが、長時間にわたるコンピューターの利用でまばたきの回数が減ったこと、大気汚染や光化学スモッグが原因という説もあります。また、涙は副交感神経が優位の状態、つまりリラックスしている時に多く分泌されますが、ストレスで日常的に緊張状態を強いられ、リラックスできないことも、原因の1つと考えられています。さらに、現代人の涙の質が変化している、涙の量が少なくなったという報告もあります。涙の量を調べる「シルマーテスト」という検査では、100年前の正常値が15mmだったのに対し、現在は正常値が5mmまで減少しています。正常値を下回るとドライアイと診断されますが、現在、国内の推定患者は800万人ともいわれています。

予防法や治療法はありますか。

 まず、コンピューターの使用中は特に意識してまばたきの回数を増やすことが大切です。目が上向きにならないよう、コンピューターやテレビの画面を目線より少し下げたり、加湿器を常備するなど保湿を心掛けてください。また、目薬は防腐剤の入っているものと、入っていないものがあります。市販でも手に入りますので、薬局で相談してみるといいでしょう。症状が重く角膜障害を伴う場合は、涙の出口(涙点)にシリコン製のプラグを差し込んで、涙を目の表面にためる「涙点プラグ」という方法もあります。プラグ挿入に痛みは伴いません。また、涙の成分の大半が血液中に存在することを利用し、自分の血液から上澄み液を採取して点眼する「血清点眼」も、重度のドライアイに有効です。

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