2004年2月25日水曜日

「抗酸化」について

ゲスト/つちだ消化器循環器内科 土田 敏之 医師

抗酸化について教えてください。

 厚生労働省の調査では、1981年から日本人の死因トップの座はがんが占め続けています。それどころか、年々2位、3位の脳血管疾患、心疾患との差を確実に広げています。わたしたちの生活環境には、発がん性のある化学物質が2000種類あるといわれていますが、一方、人間の体内にも発がん性物質と同じ働きをする活性酸素があります。人は食物からエネルギーをつくるときに酸素を必要としますが、準備された酸素のすべてを使い切るわけではありません。使い切れずに中途半端に形が変化した酸素が体内に残ります。これが活性酸素です。活性酸素は遺伝子を傷つけ、がん発病の原因となるだけではなく、老化の根本原因になります。

活性酸素に対する注意点、予防法を教えてください。

 活性酸素は日常生活の些細(ささい)なことでも生じます。ストレスを強く感じたときや、喫煙、アルコール摂取、血糖値が高い、運動をした、携帯電話やパソコンなどの電磁波を浴びた、紫外線を浴びた、医薬品、食品添加物などの化学物質が体内に入った、病原菌が体内に入った、自動車の排気ガスを吸ったときなどに、活性酸素が発生します。活性酸素はがん以外にも、動脈硬化、狭心症心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞、肝臓疾患、糖尿病、慢性関節リウマチ、アトピー性皮膚炎、白内障などを引き起こしたり、肌のツヤや張りを失わせ、シワを増やして老化を促進します。体にさまざまな悪影響を及ぼす活性酸素に対抗できる物質が、抗酸化物質であるといわれています。ミカン、ブロッコリー、ピーマンなどに多く含まれるビタミンC、ベニバナ、サンフラワーなどの植物油、背の青い魚などに多く含まれるビタミンE、ニンジン、ホウレンソウなどに多く含まれるβカロチン、緑茶などに含まれるカテキン、フラボノイドなどがあります。これらの食品を毎日欠かさず取ることが、1番の予防法です。しかし、ライフスタイルが多様化している現代、バランスの良い食事を毎日というのは難しいという人もいるでしょう。市販の各種サプリメントを生活に取り入れるのも、有効な活性酸素対策の1つです。

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