2003年12月10日水曜日

「ほくろ」について

ゲスト/宮の森スキンケア診療室 上林 淑人 医師

ほくろについて教えてください。

 ほくろは、母斑細胞母斑という皮膚腫瘍(しゅよう)の一種で、ほとんどの場合は良性です。黒く丸い形をした平板なほくろ以外にも、盛り上がったもの、茶色やグレーのもの、毛が生えているものなど、さまざまです。基本的に良性のものであれば、気にならなければ、そのままにしておいて問題ないのですが、まれではありますが、「ほくろのがん」である悪性黒色腫(メラノーマ)である可能性もあり、これを疑う場合は切除するなど治療が必要になります。例えば、形がいびつになってきた、色にムラが出てきた、最近急に大きくなってきた、時々出血するなどは悪性を疑わせる所見なので注意が必要です。また、足の裏、手のひらや指にできたほくろは、ほかの部位に比べて悪性である可能性が高いといわれています。気になるほくろがある場合は、1度専門医に診てもらいましょう。また、特に悪性を疑わない場合でも、大きくて邪魔になる、洗顔や入浴の際にタオルが擦れてよく腫(は)れる、下着や服があたって痛いなどの症状を伴う場合は、治療を考えた方がよいでしょう。

治療の方法を教えてください。

 確実にほくろを取り除くには、切除が必要です。たいていは短時間で済む局所麻酔手術が可能です。しかし、結果的に傷あとが残りますので、残る傷あとに関して、医師とよく相談することをお勧めします。小さいほくろであれば、レーザー治療も可能です。しかし、レーザー治療の場合、ほくろを確実に取り除けるわけではありません。薄く目立たなくするための治療であり、1度で済まないこともあります。自分にとってどの治療法が適しているか、医師と納得いくまで話し合ってください。また悪性黒色腫は、極めて悪性度の高い皮膚がんです。このため早期発見・早期治療が基本です。気になるほくろや心配なほくろは放置せず、ぜひ1度専門医を訪ねてみてください。

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