2003年8月13日水曜日

「肥満」について

ゲスト/つちだ消化器循環器内科 土田 敏之 医師

肥満の問題点について教えてください。

 肥満はさまざまな生活習慣病の原因になります。肥満に合併する健康障害として、糖尿病、高脂血症、高血圧、痛風、狭心症、心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞、睡眠時無呼吸症候群、脂肪肝、膝(ひざ)関節症・腰痛症、月経異常などが挙げられます。健康に過ごすためには、適正な体重を維持することが大切です。肥満症の人には、そのようになる原因があります。まず挙げられるのが、加齢とともに若いころほどのエネルギーを必要としなくなっているのに以前と同様の食事をしていること。中年以降急激に太る人が多いのはこのためです。外食や付き合い、接待などでカロリーの高い食事をしている。ストレス解消のための過食も肥満の要因です。また、食事の習慣として、早食い、つまみ食い、ドカ食いなどは食べ過ぎの原因になります。夜遅くの食事、おやつやアルコールの取り過ぎ、もったいないと残り物を食べてしまう、運動不足なども肥満症の人に多くみられます。さらに、親や家族が太っている場合は、太りやすい体質や習慣を受け継いでいると考えられます。

上手な肥満解消の方法を教えてください。

 「1カ月で10kgやせる」というような、極端なダイエットは体に負担を掛け、健康を害したり、大幅なリバウンドを招くことにもなりかねません。健康的に体重を減らそうと思ったら、以下の3つの大原則を頭に入れてください。第1に、摂取カロリーを消費カロリーより減らす。入ってくるカロリーが出て行くカロリーを下回れば、人間の体は体脂肪を分解燃焼して補てんしようとします。1日2500kcal取っていた人が、1800kcalに減らせば、700kcalの体脂肪が燃焼され、これを10日続ければ7000kcal、約1kgの減量になります。次に、運動だけでやせるのはまず不可能と考えてください。体重を減らすほどの運動量は、仮にできたとしても継続することが難しいのです。そして最後に、以上2点から考えて、生活習慣を見直すことがダイエットの秘訣であるとわかります。腹八分目以下の食事量に徹し、階段を利用するなど日常的に体を動かすことを心掛けることです。

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