2003年4月2日水曜日

「コンタクトレンズとの上手な付き合い方」について

ゲスト/誠心眼科病院 前川 浩 医師

コンタクトレンズ使用者が急増しているそうですね。

 使い捨てコンタクトレンズの登場や量販店が急増し、現在日本のコンタクトレンズ使用者は1300万人を超えるといわれています。それに伴いコンタクトレンズによる目のトラブルも急増しています。その原因は、目の状態に合っていないレンズを無理に装着したり、レンズケアが不適切であったりと、本来なら避けられる要因によるものが多いのです。目は非常に傷つきやすく、コンタクトレンズは医療用具ですから、使用に際しては極力注意を払わなければなりません。トラブルとして多いのは、ドライアイ、角膜炎、角膜びらん、角膜かいようなどです。また、コンタクトレンズによってアレルギー性結膜炎になることも多いのです。さらに、角膜の厚みを一定に保っている角膜内皮細胞は、年齢とともに減少するのですが、コンタクトレンズの使用期間が長いと、減少が早まり、将来的には白く混濁する可能性もあります。内皮細胞を増やす手段は、現在のところ角膜移植しかありません。

トラブルを避ける方法を教えてください。

 目の健康のことだけを考えた場合、コンタクトレンズの使用はお勧めしません。使用するのであれば、専門の知識と確かな技術を持つ眼科医で検査を受け、きちんと目の状態に合ったレンズを処方してもらってください。装用開始から一週間後の診察、3カ月ごとの検診も重要です。また、1番気を付けたいのが正しいケア方法です。レンズを清潔に保つことが、トラブル予防になります。目の状態によって、汚れやすさなどに個人差があります。汚れやすい人やケアがきちんとできない人は1日使い捨てタイプをお勧めします。1日の装用時間は最小限に。外出先から戻ったらすぐ眼鏡に替えるなど、眼鏡との併用を基本にしてください。また、装用開始の低年齢化が進んでいますが、スポーツをやっているなどの事情がない限り、自身でケアも含めた管理ができる年齢までは装用しない方がいいでしょう。目に何らかの異常があった場合は、すぐにかかりつけの眼科を受診してください。

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