2002年10月9日水曜日

「肥満」について

ゲスト/岡本病院 松浦信博 医師

肥満について教えてください。

 肥満には、病気が原因となる症候性肥満と過食や運動不足による単純性肥満がありますが、ここでは約9割を占める単純性肥満についてお話しします。大人の肥満の場合、脂肪細胞の数が増えることは滅多に無く、細胞自体が大きくなることによる肥満がほとんどです。摂取した熱量が消費する熱量を上回った結果、肥満になりますが、その原因はさまざまな要因が複合的に関連していると考えられます。誤った摂食パターンや過食、運動不足などです。遺伝によって「太る」ということも確かにありますが、これは食生活に気を付けていれば、克服可能な程度がほとんどです。日本肥満学会が提唱する肥満の判定基準があります。BMI(ボディマスインデックス)といい、体重(kg)÷身長の二乗(m)で計算し、22が標準、20~24未満なら正常、24~26.5はやや肥満、26.5以上なら肥満です。

肥満による合併症や、肥満を解消するための方法を教えてください。

 大人の肥満には2つのタイプがあります。内臓脂肪型肥満は、腹部を中心に太り、リンゴ型と呼ばれ男性に多いタイプです。もう1つは、皮下脂肪型肥満で、洋ナシ型と呼ばれ下半身に脂肪が付く女性に多いタイプの肥満です。問題が多いのは、リンゴ型肥満で、糖尿病、高血圧、動脈硬化、高脂血症など生活習慣病になる確率が高くなります。肥満解消の方法は、やはり食生活を見直すことが一番です。三大栄養素をバランス良く取り、脂質の摂取量を減らします。昔ながらの和食を中心にすると良いでしょう。三食きちんと食べ、朝食はしっかり、夕食は控えめに。薄味に慣れ、間食やアルコールを減らし、残飯はすぐ処分しましょう。運動ももちろん大切ですが、継続が一番効果的なので、無理のある運動はせず、長く続けられるようなものにしましょう。5、6kmの歩行、歩数にすると1万歩位ですが、これを1週間に3回程度行えばいいでしょう。肥満解消に近道、王道はありません。生活習慣を見直し、焦らずゆっくり継続することです。

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