2002年9月18日水曜日

「矯正治療」について

ゲスト/E-line矯正歯科 上野拓郎 歯科医師

矯正治療について教えてください。

 矯正歯科へ来院される方は、見た目の歯並びや咬(か)み合わせに不安や不満があるという理由からでしょう。まず矯正歯科では、カウンセリングを行います。自分の歯並びの状態を知ってもらい、大まかな治療内容について説明します。その上で治療を開始することになった場合、詳しく診断するための資料として、歯型、骨格や歯のレントゲン撮影などの検査を行います。極端な不正咬(こう)合や顎(あご)の動きに問題がある場合は、顎の動きのチェックや顎の関節部のレントゲンやMRIを用いた詳しい検査を行います。検査結果に基づき、診断と治療方針を決定します。矯正は長い付き合いになるので、ここで納得いくまで話し合い、治療計画、期間、費用など、十分に理解してから治療をスタートします。矯正治療に入る前に、虫歯、歯周病、顎(がく)関節症がある場合は、その治療を行います。これが本格的な矯正治療開始までの流れです。治療の方法は、症状によって違います。歯に主な原因のある不正咬合の場合、顎や歯並びを広げながら歯を抜かずに治療するか、顎と歯のバランスが極端に悪い場合は抜歯して治療することになります。また、歯だけではなく骨格に問題のある人は、思春期成長前であれば顎の矯正治療を行い、骨格が改善した後、歯の矯正治療をする場合があります。思春期成長後であれば、外科的矯正治療も必要な場合があります。思春期成長前のお子さんで歯並びが気になるようでしたら、早いうちに専門医に相談し、治療時期についての説明を受けることも必要です。

矯正装置の違和感が心配な人も多いと思いますが。

 症状によって矯正装置の種類、使用期間はさまざまです。短いものでは数カ月、長い場合は10年近くになります。最近は、材料や治療方法が発達し、違和感や苦痛の少ない装置が多くなってきました。装着直後は違和感や痛みが多少ある場合がありますが、数日で無くなる場合がほとんどです。装置装着後は、約1カ月に1度程度の通院になります。歯が移動し、顎の矯正治療も完了し、見た目にはきれいな歯並びになりますが、動かした歯はまだ骨の中で安定していません。この後は保定期間として、保定装置を使って安定を待ちます。保定期間は2~3年で、通院間隔も2~6カ月に1度程度です。保定が完了し、矯正治療がすべて終了します。気になった時点で一度専門医を訪ねてみましょう。

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