2002年9月4日水曜日

「排尿障害」について

ゲスト/元町泌尿器科 西村昌宏 医師

排尿障害を伴う疾患として、どのようなものがありますか。

 女性に多いのは、突然の排尿痛を伴い、頻尿、残尿 感に襲われる急性膀胱(ぼうこう)炎です。排尿後の不快感もあり、尿に血液が混じ ることもあります。原因は菌による感染で、性活動が活発な20代の女性と、閉経後に 女性ホルモンによる自浄作用が後退した50代以降の女性に多くみられます。長時間ト イレを我慢したり、下半身の冷えから発症することもあります。抗生物質の服用で 3、4日で症状が改善しますから、我慢せずにすぐ泌尿器科を受診してください。何 度も繰り返すことがあるので、最初の治療が大切です。そのほかの膀胱炎としては、 ほかの疾患の合併症として出る神経因性膀胱に伴う慢性膀胱炎などがあります。男性 も膀胱炎になることはありますが、多くみられるのは尿道炎、前立腺炎です。尿道内 に細菌が入り、尿道や前立腺が炎症を起こす疾患で、排尿痛、頻尿、残尿感、発熱な どの症状があります。大腸菌、淋(りん)菌、クラミジア、マイコプラズマなどによ る感染が原因で、抗生物質投与などの治療を行います。前立腺炎は慢性化すると治り づらくなるので専門医で適切な治療を受けてください。

男性において感染による疾患以外では、どのようなものがありますか。

 夜間の頻尿、尿に勢いが 無い、残尿感があるなど、中高年で排尿に関する悩みを持つ人は多いと思います。こ れは、加齢によって前立腺が肥大し、尿道を圧迫するため尿の出が悪くなる前立腺肥 大による症状です。肥大症は通常50代になって現れる病気で、60歳以上ではかなりの 確率で肥大症になるといわれています。投薬や手術による前立腺の切除など、症状の 進行具合に適した治療をすればまず問題ありません。また、肥大症の症状に酷似した 前立腺ガンの可能性もあります。前立腺ガンは近年日本で急増し、死亡数も増加傾向 です。簡単な血液検査でかなりの確率で診断できますから、積極的に検査を受けてく ださい。早期に発見・治療することが肝要です。50歳を過ぎたら年に1回は定期的に 検診を受けましょう。