2002年8月21日水曜日

「更年期障害と骨粗しょう症」について

ゲスト/草薙レディースクリニック 草薙鉄也 院長

更年期障害と骨粗しょう症はなぜ女性に多いのですか。

 まず更年期障害についてですが、初潮を迎えたとき、卵巣には40万個の卵子があります。しかしその後の排卵で50歳までに卵子は無くなり、それまで卵巣から分泌されていた女性ホルモン(エストロゲン)は突然失われます。そうすると脳の視床下部にあるエストロゲン分泌の指令塔(性中枢)からエストロゲンをもっと分泌するように、過剰な刺激を卵巣に与え性中枢が乱れます。実は自律神経中枢は性中枢の隣りにあるため、性中枢の乱れは自律神経の乱れを同時に起こします。更年期障害はホットフラッシュ、発汗、肩こり、腰痛、関節痛、疲れやすいなどのエストロゲン不足症状と、動悸、めまい、イライラ、不眠、うつ状態などの自律神経失調症状の2つの症状が混じり合ったかたちで現れます。女性は男性と違って女性ホルモンが突然失われるため更年期障害が出やすいのです。次に骨粗しょう症ですが、女性は閉経後、ホルモンが不足することによりカルシウムの吸収率が半減し、骨がもろくなる骨粗しょう症になりやすくなります。現在患者数は約780万人、その75%は女性です。閉経後20年間で脊椎(せきつい)骨や大腿骨頚部(股関節)の骨量が20%減少し、特に閉経直後の10年間にその7割が失われます。また骨折後5年以内に50%の方が死亡しています。

更年期障害と骨粗しょう症は、どのように対応したらよいですか。

 更年期障害、特に自律神経失調症状に対しては、漢方や自律神経安定剤が有効ですが、もともとの原因である性中枢の乱れに対しては、ホルモン補充療法が有効です。また、女性ホルモンで骨量減少を予防できますから、更年期以降の女性にとって骨粗しょう症予防にこの療法は有用といえます。最近ホルモン補充療法の副作用について取り上げられていますが、このような報告は以前からあり、もともと血栓症や乳ガンが多い人種、肥満や喫煙習慣などがある女性にはホルモン補充療法は適さないという報告です。適応基準を守れば問題無いので、専門医に相談し、自分に合う治療法を見つけてください。