2002年3月13日水曜日

「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」について

ゲスト/森皮フ科医院 森尚隆 医師

帯状疱疹とはどんな病気ですか。

 小さな水膨れができ、ピリピリと痛む病気で、かつてかかった水ぼうそうのウイルスが原因です。他人から感染することは滅多になく、ほとんどの場合、神経の節に潜んでいたウイルスが、風邪などの免疫力の低下をきっかけに動き出し発病します。一般に症状は、痛みが起こり、その後皮膚にブツブツと赤い発疹が現れ、小さな水膨れが広がります。顔、胸から背中、お腹(なか)などによくできますが、神経に沿って身体の片側に帯状に広がります。人によっては手足などさまざまな部位に出ることもあります。

発病したらどのような点に注意すればいいですか。

 免疫力の回復を促すために、十分な休息と睡眠、栄養を取るように心がけましょう。水膨れを破くと細菌感染が起こりやすくなるので注意が必要です。また、神経に沿って痛むため、当初帯状疱疹と思わず、神経痛として湿布などで冷やしてしまう場合があります。これは間違った治療法で、皮膚症状が消えた後も、いつまでもピリピリとした神経の痛みが残ってしまうことがあります。ウイルス性ですが、普通は人にうつりません。ただ、水ぼうそうにかかった経験のない人には、感染することがあります。この場合は、水ぼうそうとして発症します。水ぼうそうを経験していない子どもには接触しない方がいいでしょう。

どのような治療法がありますか。

 症状に応じて抗ウイルス剤、鎮痛剤、ビタミン剤などで治療します。また、半導体レーザー、スーパーライザー、キセノンライトなどの治療で痛みを緩和することができます。あまりに痛みがひどい場合は、神経ブロックが有効です。いずれにしても発症後、早い時期に治療を開始した方が早く治ります。また、60歳以上の人に多い病気ですが、若くして発症すると痛みではなくかゆみを感じることがあります。帯状疱疹は治っても、その後に皮膚に瘢痕(はんこん)や神経痛を残すことがあります。おかしいと思ったら速やかに専門医に相談した方がいいでしょう。

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