2002年3月6日水曜日

「長期間続くせき」について

ゲスト/大道内科・呼吸器科クリニック 大道光秀 医師

風邪が治った後もせきがしつこく出るという人がいますが。

 専門的には、せきが8週間以上続く場合を慢性咳嗽(がいそう)といいますが、2~4週間以上せきが続くなら、専門医を受診することをおすすめします。原因を特定するためにレントゲンを撮ったり、たんを検査します。風邪から肺炎に移行していたり、肺がん、肺結核に罹患(りかん)しているという恐れもあります。結核は、過去の病気と思われがちですが、最近でも日本国内で多く発症しています。結核は世界でいまだに1年に300万人くらいの死亡者を出しており、若者と大人の重大な感染症といえます。放っておくと、肺結核の集団感染を引き起こしてしまうことにもなりかねません。薬を投与して治すことができるのに、気が付かないばかりに手遅れになることもあります。また、喫煙の習慣が無くても肺がんになる可能性があります。大きな病気を見逃さないためにも、「風邪が長引いている」などと決め付けず、一度検査を受けてみましょう。

風邪をひいてもいないのに、せきが続くという場合は、どのような原因が疑われますか。

 最近多いのが、アレルギーによる慢性的なせきです。風邪などがきっかけになって、ハウスダストや花粉などの原因によるアレルギー性のせきが続くのです。アレルギーによるせきこみから、気管支喘息(ぜんそく)に移行する場合もあります。熱が無く、レントゲンでも異常が無いのにせきが続く場合は、一度、アレルギー素因があるか血液検査をしてみるといいでしょう。アレルギーによるせきであれば、喘息の薬に類似するものが良く効きます。ただし、アレルギーである以上、根本的な治療としては体質改善をする必要がありますが、これはなかなか困難です。また、本州ではスギ花粉症のシーズンですが、北海道では初夏に発症するシラカバや、夏から秋にかけてのイネ科(カモガヤなど)やキク科(ブタクサ、ヨモギなど)の植物による花粉症が多く見られます。せきが続くと体力を消耗させます。「たかがせき」と思わずに、気管支からの危険信号と捉(とら)え、原因を特定し、それに合った治療を受けましょう。